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MUJINKAI

甲州人は知る!うまい!ほうとうの秘密はここにあった。

INTERVIEWSHOPS 2017.05.28
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MUJINKAI編集部イチオシのお店を紹介します。
山梨県甲府市にあるお味噌屋さん「五味醤油」。創業明治元年から続く、伝統の味を大切にしています。さらに、味噌文化の魅力を伝えるため、手前味噌教室を開催するなど、時代の流れとともに挑戦し続ける魅力あるお店です。

6代目オーナ、発酵兄妹として活躍する五味洋子さんにインタビューしました。

 直営店にある甲州やまご味噌とは、どのような商品ですか。
五味さん 商品名のやまごは、屋号から名付けました。以前は、やまごみそとして販売していましたが、甲州の表示を加えました。その理由は、甲州味噌の文化を広げたいという思いから甲州やまごみそと改めました。

 山の下に五が描かれている屋号のデザインは目を引きますね。その甲州やまごみその特徴を教えてください。
五味さん 原料に米こうじと麦こうじ2種類のこうじを使う全国的にもとても珍しいみそです。また、麹の触感も合わせて、味わっていただきたいと思います。

 やまごみそ・甲州味噌は、五味醤油店さん独自の製造方法なのでしょうか。
五味さん 甲州味噌は、山梨県内の各製造工場で作っています。米麹と麦麹をブレンドし、作っているのが甲州味噌です。山梨県内では、ほうとうの調味料として使われています。ほうとうの麺は、小麦粉でできているため、麹の米と麦が溶け込んだ味噌との組み合わせは絶品です。さらに、山梨のもつ煮込みと言えば、 が、甲州やまごみそを使用していただいている飲食店もございます。

 近隣で甲州味噌を作っている方もいらっしゃるのでしょうか。
五味さん 後継者不足ということもあり、残っているお店はごくわずかです。その昔、この辺りには商店が多くありました。現在では、見かけなくなりましたが、味噌や醤油、酒などの蔵が並んでいたそうです。しかし、現在はお店が少なくなってしまいました。当時の活気を取り戻すために、2016年2月、新事業であるワークスペース「KANENTE」を設立しました。販売するだけでなく、味噌づくりなどの体験型ワークショップとしての役割がある一方、公民館のようなコミュニティーを大切にしたいという思いがあります。

 一大決心をされたわけですね。そのKANENTEで開催される味噌作り教室とは、どのような内容となりますか。
五味さん 煮た大豆と麹を合わせて、味噌を作るというプログラムになっています。ここ以外にも県内外で開催しています。甲州市の食育プログラムの一環として、園児が味噌づくりを体験する教室を行っています。味噌を仕上げるため、半年間寝かすという作業工程は、子供たちに食のこと、味噌の文化を知ってもらう良い機会となっています。

 普段、口にするものが何で出来ているか重要なことですよね。
五味さん はい。味噌も3種類ほどありますが、お客さまが口にする物は、何味噌であるかご存じではない方が多いのかもしれません。東北は、米味噌。東北は、八庁味噌。九州は、麦味噌が一般的に使用されています。サッパリした味から深いコクまで、それそれ個性があります。甲州みそは、米と麦の麹を合わせた珍しい製法です。そのため、麹それぞれの味や香りを楽しんでいただくことができます。

 体験教室でも甲州味噌を作ることが出来るのでしょうか。
五味さん はい。甲州味噌と米みそづくりを体験していただけます。

 どのような方が体験されるのでしょうか。
五味さん 地域によって、ニーズが異なるので、面白いと思います。例えば、山梨県内では、子育て世代のお母さまに人気です。一方、都内では、独身の一人暮らしの方が多い影響でしょうか、会社帰りに参加される方が多いです。

 洋子さんのように若い女性がみそ作りに携わるというのは、驚きました。
五味さん 醸造業は、時間がかかるために、新規参入が難しいという課題があります。しかし、近隣の麹を作る醸造工場では、若い世代の社員がいます。私も兄とともに、味噌文化を広げるため挑戦したいという思いがありました。ラジオや絵本などを通じて、
発信しています。

 五味さんの今後の夢をお聞かせください。
五味さん 大きな夢は、日本人の和食文化や食卓を守っていきたいと思います。その中にある味噌を大切にしてほしいと思います。さらに、食卓が豊かになるお手伝いをしたいと考えています。現在は、味噌作り教室に力を入れています。昨年は、1,000名以上のお客さまにご参加いただきました。今後は、味噌をどのような料理に取り入れるとおいしくなるのか考えています。具体的には、味噌汁のだしを作るなど、食卓に関心をもっていただけるよう、味噌文化のちょっとしたきっかけ作りをしたいと思っています。

踊れる絵本味噌作り

発酵兄妹監修の味噌づくりを簡単に学べる絵本を販売しています。約3分間、歌に合わせた振付もあり、子供から大人まで人気の作品です。「てまえみそのうた」

秘伝の味を知るため、特別に工場を見学させていただきました。

米麹と大麦麹を合わせる製法は、通常の製造時間よりも約2倍の手間と時間がかかるそうです。さらに、こうじの触感が残るお味噌は、職人がいる専門店だからこそ出来る、仕上がりとなっています。

味噌作りのメインは、冬。製造までに、白みそは、最短で3カ月、赤みそは、半年以上の時間経過が必要とのことでした。甲府盆地の寒暖差を乗り越えた味噌は、上手いこと間違いなしです。辛抱強くないと味噌もやっていけないですね。麹は、時代のブームや甘酒などに使用されるなど、需要が多くなったこともあり、年間を通じて、製造しているそうです。

1つの木桶で4tもの味噌が作れるそうです。それぞれの桶で味が異なるのも特徴ということです。さらに、桶の淵と中心では、個性が違うそうです。そのため、常連さんから「今回は、また一段と深い味わいだね」というお言葉をいただくこともあります。無添加こだわり、天然醸造ならではの味を楽しむことができるそうです。

発酵文化を広げる取り組みがグッドデザイン賞に輝くなど、味噌の魅力を教えてくれた五味醤油店。五味洋子さんやお店の方から、地域の文化を大切にするということを学びました。ほうとうを作る際、甲州やまごみそを加えてはいかがでしょうか。

住所 山梨県甲府市城東1-15-10
電話 055-233-3661
営業時間 10時~18時
定休日 日曜、祝日(お盆、年末年始)
公式ホームページ http://yamagomiso.com/

販売店は、山梨を中心に東京などでも販売されています。
全国に配送もしていただけるそうです。

醸造工場見学不可。

写真提供:五味醤油

五味洋子さん
発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年味噌屋へUターン。五味醤油にて六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。2015.10月~ 毎週土 午後4時30分~4時45分 発酵兄弟のコージートーク

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成嶋徹
成嶋徹

一言でいうと、おっさん版の林真理子【経 歴】山梨県甲府市出身。学生・行政・商店と連携して甲府の魅力をPRする企画を実施。平成27年6月、山梨WEBマガジン「MUJINKAI」を友人と設立し、編集長になる。16歳から甲府駅前にて路上ライブを開始。さまざまなアーティストと共演する。

【性 格】よいです。小学校5年の時、近所でずぶ濡れになったセキセイインコを拾ってきて飼ったことがあります(ピーピー鳴いていたので、ぴーちゃんと命名)

【趣味】水泳

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